社会福祉士資格取得のため福祉施設実習を終えたばかりの10数名の学生さんに、前週の授業で『ちづる』を観ていただき、当日「家族としてのあゆみ」というお題でお話することになっていました。
今回はコロナで上映会がなくなってから久しぶりの長い講演。コロナを機にこれまでの講演内容を見直し、いつもと同じ話をするのをやめよう、と心に決めていました。
100分間なので話だけだと退屈かなと思い、直前に思いついて母に頼んで実家の写真を送ってもらい使ってみました。
きょうだいとしてどんな思いで過ごしたかということに重点を置いて、当時を振り返りながら内容を考えましたが、準備不足や不慣れなこともあり、たどたどしくなってしまいました。でも話しながら色々思い出して追加できたエピソードもあり、チャレンジできたことは良かったと思いました。
でもやっぱり映画制作時の話になると慣れているのでスラスラしゃべれて話しやすかったです^_^; 100分間は色々お話できると思っていましたが、思っていたより短くあっという間に終わってしまいました。
学生さんから「妹さんの障害ではなくキャラクターを伝える映画だったので、ちづるさんかわいいなと思いました」という感想を聞かせてくれてとても嬉しく思いました。
これから福祉の世界で活躍される皆さんにとって何か少しでもお役に立てたら幸いです。
重田先生、ゼミ生の皆さま、ありがとうございました!
今回実は映画『へんしんっ!』《http://blog.chizuru-movie.com/?eid=198#gsc.tab=0》監督の石田くんも参加してくれました。立教に行くので会えるか聞いてみたら「僕も聴講してもいいですか?」と。授業中にインタビューして、当時はじめて『ちづる』を観たときの感想を聞かせてさせてもらいました。授業後久しぶりに近況などをゆっくり話すことができてうれしかったです。
その後機材管理室に行って、学生時代大変お世話になった水上さんにもお会いできて、ほっこりとした気持ちになりました。
やっぱり知っている人の顔を見られるとそれだけで心安らぎます。学内を歩きながら、在学中よりもずいぶん学生さんが少なくなった気がしました。気軽に人と会える日が一日でも早く戻ってくるといいな…。
2022年最後の講演が終了しました。今年も『ちづる』をご覧いただく機会をいただき感謝です。今年は夏にバナナが危ういかと思いましたがなんとか回復して、おかげさまで我が家は皆元気にしております。と、思っていたらつい先日母が足にヒビが入り松葉杖生活になってしまったらしいです…。健康第一、ですね…。皆様もどうぞご自愛くださいませ。
それではまた来年〜☆
]]>藤野の上映会《http://blog.chizuru-movie.com/?eid=189#gsc.tab=0》を企画してくださった井上さんが、ご家族とともに『logue』という生活介護事業所を立ち上げられ、初めての地域イベントとして『ちづる』の上映会を開催してくださいました。
敢えてホールなどは借りず、logue併設のお洒落なカフェスペースを会場にして、3回も上映してくださり、地域にお住まいの方や関係者の方が100名ほどお越しくださいました。
皆さんlogueオリジナルコーヒーを飲みながらあたたかな雰囲気で映画をご覧になっていました。
途中logueコーヒーをプロデュースされたコーヒー屋さんが応援にお越しくださり、サプライズでお客さんにエスプレッソを振る舞ってくださいました。僕も一杯いただきましたがその美味しさにびっくり!正直に言うと普段コーヒーは飲まないのですが、こんなに美味しいエスプレッソなら何杯でも飲みたい!と思うほど。今さらながらコーヒーに興味が湧いてきました。
3回目の上映後に井上さんと米山さんという方と3人でトークを行いました。
米山さんは地域の障害児の親の会の元代表で、logueの活動を応援されている方です。たくさんの地域の方々に見守られながら子育てされてきたエピソードをご披露いただきました。『ちづる』を観たときはやはり親目線で母の葛藤に共感しながらご覧いただいたとのことでした。
井上さんからは同じきょうだいとしての思いを聞かせてもらい、家族・学校・地域など様々なテーマで語り合いながら、障害があるなしを超えてこれからどんなふうに一緒に暮らしていけるか、ということに思いを馳せました。
コロナ禍になってから久しぶりのリアル上映会、感慨深いものがあり、楽しくてあっという間の一日でした。
お越しいただいた皆さん、米山さん、ありがとうございました!
実は今回僕にとってもう一つの意味で特別な上映会となりました。それは、息子と上映会に参加する、という夢が叶ったからです。
子どもが生まれたときからいつか『ちづる』の上映活動について知ってもらえたらと思っていて、今回は「パパの仕事のお手伝い」として同行してもらいました。
息子は、優しいlogueのスタッフさんに可愛がってもらったりほめられたりするのがうれしかったようで、率先して椅子を並べたりして会場設営に走り回り、グッズ販売の店番や駐車場案内などをして、活き活きと働いていました。同世代のこどもたちともたくさん遊ぶことができて、一日中とても楽しそうでした。色々な人とのふれあいの中で彼の心が大きく育っているのを感じ、いつもより頼もしく見えました。
面白かったのが、前日に2人で会場にお邪魔して映像音響チェックをしているとき。
妹と母がとっくみあいのケンカをしているシーンを見ながらマイクで「もう、ふたりとも〜!笑」とツッコミを入れていました。
母が僕と話していて涙するシーンでは「パパも泣いちゃえば」と言っていました。
物心ついてから『ちづる』を観るのは初めてで、ところどころじーっと見入っていました。実家でよく会う叔母さんたちが映っていて、それをお客さんたちに観てもらっていることをどう思っているのか…。もう少し大きくなっらいつか聞けたらいいなと思ってます。
忘れられない大切な思い出ができました。
井上さん、logueの皆さんに感謝です。皆様ありがとうございました!
それではまた〜☆
]]>『僕とオトウト』は、『ちづる』と縁深い作品です。『ちづる』と同じく、池谷先生がプロデューサーを務められ、きょうだいの立場の監督が撮ったセルフドキュメンタリーです。
監督の高木さんとは、池谷先生が立教大学での集中講義で『ちづる』の解説をしてくださったときに出会いました。初めて『ちづる』を観終えて「赤崎さんは何で妹さんを隠していたんですか?」と聞いてくれたのが印象的でした。
高木さんは幼い頃から大好きな弟の壮真(そうま)さんをどこへ行くにも一緒に連れて行っていたと言います。
香川県で生まれ育ち、大学進学を機に京都に出てきた高木さん。やまゆり園の事件をきっかけに障害について改めて考えるようになり、池谷先生主催のアマチュアドキュメンタリー映像団体『元町プロダクション』に参加して、映画を作ることを決意します。
もっと壮真さんのことを知りたい、と故郷でカメラを回しているうちに、今まで蓋をしていた自分の気持ちに気づき、弟さんとの向き合い方を見つめ直していくストーリー。
壮真さんの繰り広げるドタバタ劇にクスッと笑ったり、家族ゆえの切ない思いに涙したり…、そして最後はあたたかい家族の光景にとても晴れやかな気持ちになります。
監督の一人語りでよく高木さんの顔が登場する映画ですが、後半になるにつれ心の成長が表情によく現れているのも見どころです。
制作の過程で、自分自身と正面から向き合うことから逃れられない、セルフドキュメンタリーならではの産みの苦しみがやはりあったそうです。当時高木さんから電話でその葛藤も聞いていて応援していたので、完成した作品を観させていただいたときは僕まで嬉しい気持ちでいっぱいになりました。そして高木監督が弟さんと誠実に向き合おうとする姿勢に学ぶべきことがたくさんあると感じました。
今回トークにご招待いただき、少しでも力になれたらと臨みましたが、いつもながら空回りしてうまくお話できずふがいなかったです…。^_^; 対して高木監督は堂々と思いを語っていて、とても頼もしく感じました。
今回のトークでたくさん感じたことはありましたが、お父さんがこの映画をすごく応援してくれているという話には思わず目頭が熱くなりました。
素晴らしい作品なので、ぜひ多くの方にご覧いただきたいです。
『僕とオトウト』公式サイト
https://boku-to-otouto.com/#theater
大阪シネ・ヌーヴォで11/12(金)まで、京都みなみ会館で11/18(木)まで上映中です。
まだお知らせはないようですが、今後きっと各地で上映会が開かれると思います。その際はまたご案内できたらと思います。
それではまた〜☆
]]>石田くんは賢くて優しい少年で、控えめだけどどこかしっかりとした芯があるように思えました。将来の夢について聞くと「医者になって人を助けたい」と話してくれたのが印象的でした。
介助らしい介助は初めてで戸惑っている僕に、石田くんは丁寧に教えてくれて、緊張がほぐれました。当時、僕は卒業後福祉の道に進むべきか迷っていましたが、宿泊学習で過ごした時間が背中を押してくれたように思います。
石田くんは中学生のころから映像制作に興味を持っていて、その後僕と同じ大学の映像身体学科に進学することになり、とても嬉しく思いました。在学中、映像表現について学びながら、大学でのバリアフリー上映会の実行委員会に参加し、日本語字幕・音声ガイド付き上映会の企画をしていました。
そして卒業制作でドキュメンタリー映画を作り、なんと『ぴあフィルムフェスティバル2020』でグランプリに!
作品は今年6月に劇場公開され、現在全国の劇場で上映されています。
タイトルは『へんしんっ!』。
石田監督は「障害者の表現活動の可能性」を探ろうと取材を始め、全盲の舞台女優の方や手話によるパフォーマンス活動をしているろう者の方たちと出会う中で、自分自身と向き合うようになり、ついには監督自身が身体表現の演者になっていく…というストーリー。
映画制作を通じて人を巻き込み、また巻き込まれながら、次第に彼が長年抱えていた周囲の人との葛藤が吐露され、勇気を出して自らのこころとからだを開いていく姿に胸を打たれました。
人は誰でも傷つかないように、傷つけないようにバリアを張って生きている。でも本当はそれを脱ぎ去ってもっと近づいてふれあいたいと願っている。手探りでおそるおそる手を伸ばし合って、お互いが許し合い、境界が溶け合ったそのとき、うれしいような恥ずかしいような感情が湧き上がって思わず笑顔になる。
映画を観終わってそんなふうに思って、あたたかい気持ちになりました。
『へんしんっ!』は、いくつもの点で他にはない映画体験ができる作品となっていますが、その上映方法も斬新です。日本語字幕と音声ガイド付きの『オープン上映』という形で、聴こえない人も見えない人も皆一緒に楽しむことができます。色んな立場の人が感想を語り合いたくなる映画だと思うのでとても素敵だなと思いました。ぜひ皆さんに劇場で体感してほしいです。
映画『へんしんっ!』ホームページ
https://henshin-film.jp/index.php
残念ながら劇場上映が終わってしまった地域もあり、映画は観たいけど色々な事情で映画館まで足を運ぶことができない方もいると思いますが、朗報です!
なんと、今年はオンラインでの開催される山形国際ドキュメンタリー映画祭2021での上映作品に選ばれました!
10月10日(日)午前11:00〜上映(英語字幕のみ)、上映後生配信で監督のQ&Aもあります。
ぜひこの機会をお見逃しなく!
山形国際ドキュメンタリー映画祭2021ホームページ
http://www.yidff.jp/index.html.ja
たくさんの良い出会いがありますように願ってます☆
それではまた〜
]]>いつもの上映後のトークと違い、あくまでも映画的視点に立って『ちづる』を語られた池谷先生のお話はとても新鮮で引き込まれました。
例えば、メタファーのお話。編集作業をしていた当時、「自動販売機」や「小銭」は妹にとって「日常」や「安心」といったものの象徴として頻繁に登場させる、といった話をよくしていたのは覚えていました。しかし「バナナ(犬)」は「変化を映す・もたらすもの」というメタファーになっているというお話はハッとさせられました。たしかに大事なシーンにはいつもバナナの姿や声が入り込んでいました。偶然映り込んだものが、シーンとシーンの組み合わせで特別な意味を持っていく、というは面白いなと思いました。
それから、妹と母のケンカのシーン。怒りと怒りがぶつかり合う緊張感のある場面ですが、ふとしたときに笑ってしまうようなおかしみも含まれています。そうした複雑で矛盾に満ちたものや不思議な雰囲気を持った空間を持ち得ることこそが映画の豊かさや面白さだ、と池谷先生はおっしゃっていました。たしかに黒でもあり白でもあるようなものに人間的なものを感じるな、そういった視点は今まで持ったことがなかったな、と色々考えさせられました。
他にも、手持ちカメラ/固定カメラのそれぞれの持つ映像の力について等、映像クリップを用いてわかりやすく解説してくださり、とても勉強になりました。
要所要所で制作当時のエピソードをお話させていただくことになっていたのですが、自宅からの参加だったので、塾が始まる前からずっと息子が興味津々ではしゃぎまくってヒヤヒヤでした(*_*) カメラに割り込んで好き勝手話そうとするし、真横でケイタイのカメラ連写し出すし…ミュートにしている間はてんやわんやでした…。でも家族の協力もあり、なんとか無事にお話することができてホッとしました。息子に『ちづる』のお仕事のことを色々伝えられる機会にもなったので良かったです。
後半は、今秋劇場公開予定の映画『僕とオトウト』監督の高木さんも登壇してお話しました。『僕とオトウト』も池谷先生プロデュースのセルフドキュメンタリーで、同じくきょうだいが作った映画ですが、『ちづる』とはまた違うテイスト・向き合い方で作られた素敵な作品です。皆さんにぜひご覧いただきたいので、また公開が近づいたらご紹介しますね。
池谷先生に物作りの楽しさを教えていただいてワクワクした気持ちになり、また映画を作りたいなと改めて思いました。今はまだ妹に避けられ続けているので続編は全然撮れなそうですが…。^_^;
池谷先生のオンラインドキュメンタリー塾、大好評につき全5回『延安の娘』『蟻の兵隊』『ちづる』『先祖になる』『ルンタ』それぞれのアーカイブチケットが8月中旬から販売される予定だそうです。視聴期間中本編と講義を何度でも好きな時間にご覧いただけるそうです。今回見逃してしまった方はぜひ!元町映画館、池谷薫監督Facebookページで近日お知らせがあるそうなのでチェックしてみてください。
そういえば、先日久々に実家に行く機会があったのですが、妹は娘に会いたい気持ちが強いようで、僕がいてもお構いなしでよく皆と過ごしていました。家族の関係はどんどん変わっていきますね。
娘の頭をグリグリグリ…(・_・;
それではまた〜☆
]]>コミュニティ福祉学部には色々縁があって、僕が卒業後福祉の道に進むと決めてから授業を受けていたこともあったり、妻の出身学部でもあったり、『ちづる』の試写会をしていただいたりもしていたので、今回の授業のことをとてもうれしく思っていました。
今回の授業では、まず教室で学生の皆さんに『ちづる』をご覧いただいて、その翌週の授業で講演という予定でした。しかし緊急事態宣言延期で大学の授業は基本リモートに変更になったため、急遽オンライン上映の準備をして視聴していただきました。初の試みで色々心配してしまい、動画をアップロードした夜はうまく眠れませんでしたが、なんとか無事に全員映画をご覧いただくことができてホッとしました。
オンラインでの講演も初めてだったので緊張しました。でも自宅からの参加だったので少しリラックスできたり、対面のときよりも相手の方の表情が近くに見えて、思っていたより話しやすく感じました。
学生の方からの質問で、「心のバリアフリーについてどう思われますか?」と聞かれてドキッとしました。社会のあらゆる環境がバリアフリーになったとしても、一人ひとりの心の中にある差別はなくせるのか、という問いなのかなと思いました。
僕は「差別は完全にはなくならないと思います」と答えました。生きている間に地球上のすべての人のことを知ることはできないと思うからです。でも少しずつ差別をなくしていく方法は色々あると思います。
世の中には強い憎しみを持って差別感情を抱えている人もいます。そうした方とも時間をかけて丹念に向き合い続けていけば、いつか分かり合えるかもしれません。
一方で、ただ単に今まで接点がなくほとんど相手の方を知らない状態で、何か些細なきっかけさえあれば、「友達」や「味方」や「仲間」になれる人が潜在的にたくさんいるのでないか、と思っています。
前者の向き合い方もとても大切なことだと思いますが、皆が生きやすい世の中になるには後者へのアプローチが良い気がするな、と思いながら『ちづる』の上映活動を続けています。
そんなことを、しどろもどろでお話しました。
授業からもうすぐ2週間経ちますが、あの質問のことが時折頭の中をグルグルと巡っています。焦らずじっくり考えていこうと思います。僕自身も色々勉強になりました。
重田先生、授業に出席いただいた皆さま、ありがとうございました!
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