大人になれば
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    3月にヘヨンさんという韓国のきょうだいの方とお会いする機会がありました。
    きっかけはツイッターでした。
    日本語堪能なヘヨンさんがネットで『ちづる』のことを知って、去年の年末にフォロワーの方々へ作品や記事の紹介をしてくださいました。
    僕はハングルがわからないのでツイッターの翻訳機能を使って内容を推測しながら読んだのですが、ヘヨンさんもどうやらきょうだいの立場であるらしいことがわかり、「あ、そうか!韓国にもきょうだいの人はいるんだ…!」とハッとさせられました。
    ヘヨンさんのツイートにはたくさんの反響がありました。ご紹介いただけたことがとても嬉しくて一言お礼のメッセージを送りました。
    それから3ヶ月後、ヘヨンさんからメッセージが届きました。
    ヘヨンさんは現在、障害のある妹さんとの生活を撮ったドキュメンタリー映画を制作中とのこと。
    作品制作の過程で『ちづる』のことを知って興味を持ってくださった、とのことでした。
    メッセージの続きには、『ちづる』のDVDはどこで手に入るのかというお問い合わせと、ヘヨンさんと妹さんがなんと今旅行で東京に来ている、という内容が…!
    その後のやりとりで、時間を合わせてお会いすることになりました。


    僕は韓国語がわからないけど大丈夫かなと会う前は緊張していましたが、妹さんのヘジョンさんは、会って早々僕と腕を組んで歩いてくれて、親しみを持って接してくださったので嬉しく思いました。
    喫茶店に入ってヘヨンさんから色々お話を伺いました。

    ヘヨンさんが13歳のとき、妹さんが入所施設に入って一緒に暮らせなくなってしまいました。かなりショックを受けたそうです。韓国では福祉サービスの人材が不足していて、ガイドヘルパー等はほとんど使えず、家族だけで見ることが困難な場合は入所施設の選択がメインなのだそうです。
    入所施設の雰囲気にも違和感がありました。そこでは大勢の人が一つの部屋で大半の時間を過ごし、職員が「お母さん」のように振る舞う。行きたい場所や何かやりたいことを職員に伝えても「大人になったらね」と繰り返しはぐらかされて、色々なことを諦めさせられてきました。そうして18年間という長い年月を施設で過ごしてきました。
    ヘヨンさんは、妹さんが置かれている状況は社会的に不公平だと感じていました。とにかくここから妹を脱出させなければ、と思っていたヘヨンさんは、施設に通って妹さんに「私と一緒に外に出れば色々なところに行けるよ」「色々な人に会えるよ」と熱心に誘いかけました。はじめは「どこに行きたい?」と問われても長年の施設生活でうまく答えられなかった妹さんでしたが、ヘヨンさんと少しずつ外の世界に出て明るく変わっていきました。
    そしてついに去年の夏、妹さんは施設を退所して二人で一緒に暮らすことを決めたのでした。ヘヨンさんは昔の映画サークルの仲間たちと一緒に、二人の新しい生活の様子を収めたドキュメンタリー映画を制作し、クラウドファンディングで配給・上映の計画を進めています。
    妹さんと街を歩けばたちまち注目の的になってしまうそうです。日本と同じで、韓国も学校時代から障害のある人ない人に分けられて、お互いが知り合う機会が少ないからです。
    小さい頃から一緒にいれば特別なことは何もないのに。
    障害のことを知らない人に、障害の理解ではなく、ありのままの日常や妹のことを知ってほしい。
    そういう思いで、映画の中では余計な説明は省き、妹さんとの生活で流れる穏やかな時間を繋いでいったそうです。
    邦題は「大人になれば」。
    予告編はこちらからです。↓
    https://m.youtube.com/watch?v=Taj6heFKUag&feature=youtu.be

    まだ本編は拝見してませんが、お話を聞いてぜひ応援したいと思いました。日本でも観れる機会が今後あるかもしれないので、そのときはまた皆さんにもお知らせしたいと思います。
    それではまた〜☆
    | 赤 正和 | - | 07:57 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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